11月3日(金曜日)神岡鉱山スーパーカミオカンデ実験エリア
宇宙の謎を解明する素粒子、ニュートリノを検出する東京大学宇宙線研究所の研究施設スーパーカミオカンデ(Sk)が4年ぶりに一般公開され、全国から申し込みのあった2815人のうち抽選で150人が参加しました。
Skは神岡鉱山の山頂直下1000メートルにある地下施設で、約1万1千本の光センサーを取り付けた直径39メートル、高さ41メートルの円筒形の水槽(観測装置)があります。このタンクは約5万トンの純水で満たされ、研究者が24時間365日観測を続けているため内部は見られません。
一般公開は同研究所始めNPO法人・宇宙まるごと創生塾飛騨アカデミー、飛騨市が主催し、神岡鉱業跡津事務所の坑口からバスで約2キロ入った観測装置上部の地下実験エリアで行われました。純水製造装置などの研究用の器材を見学し、中畑雅行研究所長から施設や研究内容、さらに2027年の観測開始を目指して建設を進めているハイパーカミオカンデ(Hk)について学びました。
愛媛県から参加した大内崇嗣さんは「科学が好きで、Skを間近で見たかった。ドームの大きさが体感でき、光電子倍増管を見られて感激です」と、また岐阜市から訪れた森瑠衣さんは「宇宙や惑星に興味があり、めったに見られない研究器材を間近で見ることができてうれしい。今後はSkの性能をはるかに上回るHkで、どんな発見があるか楽しみです」と話していました。
中畑所長は「宇宙には謎がいっぱいありますが、挑戦し続ければ予期せぬ発見が得られます。観測技術も高度になり、Skの究極的な目的である陽子崩壊に関心を示す若者も増えています。これからもこうした機会を設けて、若い世代に引き継いでいきたい」と話しました。