11月14日(火) 神岡小学校
食のプロフェッショナルであるシェフやパティシエ、生産者などが子どもたちに「味」の基本や、五感を使って食べる大切さなどを伝える「味覚の授業」が、神岡小学校の5年生児童39人を対象に行われました。今回は、児童の保護者8人も会場を訪れ、味覚について一緒に学びました。
「味覚の授業」は、子どもたちに食文化を伝えようと、30年以上前にフランスで始まった食育活動「味覚の1週間」の取り組みの1つです。日本でも2011年から本格的に始まり、現在10月から12月にかけて全国の小学校で行われています。塩味や甘味の他、日本ならではの「うま味」など5つの味を感じられる食材を用意。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の「五感」を研ぎ澄ませて味わったり、味に関する知識、食べる楽しみや大切さなどを学んでもらう取り組みです。
この日は、古川町の「タスパdeシャングリ・ラ」の玉腰正人さん、「岐阜県調理師連合会会長」の大脇房夫さんが講師として指導にあたりました。教室には、塩や砂糖、酢、だし汁の他、チョコやグミ、マスカットゼリーなどを用意。食材1つひとつをじっくり見た後、手でさわったり匂いをかいだりしながら味わいました。鼻をつまんで食べた時と、匂いをかぎながら食べた時を比べ、その味わいの違いに児童は驚いていました。
玉腰さんは「マスカットゼリーのゼリーだけを味わうと苦味を感じるはず。一度苦味を感じた後にマスカットを食べると、フルーツ本来の甘味をすごく感じることができる。料理全体のハーモニーが大切」などと説明。児童は実際に味わい、「すごく甘く感じる」などと声をあげていました。また、日本独特の感覚である「うま味」を感じる舌の場所は、「苦味」を感じる場所とほぼ同じことなども紹介。児童の質問に答える形で「トウガラシなどの辛さは、味ではなくて刺激や痛み。だから、同じ『からい』という表現でも『しょっぱい』とは区別します」などと話しました。
講義を受けた山本烈士さんは「舌には、酸味とか甘味とかの味を感じる場所がそれぞれあることが一番勉強になりました。家でごはんを食べる時、今日習ったことを生かして舌で味わいながら、どこで味を感じているかを確かめてみたいです」、谷口太志さんは「今まで五感で味わうことを知らなかったので、これから意識してごはんを食べたい。うま味とか酸味とかも意識しながら、家の食事も食べてみたいです」と感想を話しました。
また、保護者として参加した山本景子さんは「今、子どもの味蕾が発達する時期なのだと分かりました。顆粒だしを使うことも多いのですが、本物の味を覚えてもらえるよう、家での食事も考えてみたいです」と話していました。
指導を終えた玉腰さんは「味蕾が発達する小学4年生ぐらいから味覚について学んでもらえるといいですね。子どものころから、五感や舌の感触などを意識して味わうことを体験し、本物の味を知ってほしいです」と話していました。