11月30日(木)飛騨神岡高校
この社会人講話は生徒たちのライフプランの設計に役立ててもらうため、地域で活躍する社会人を招き、年2回開かれているものです。今回は飛騨神岡高校出身で、高山市の日枝中学校で国語教諭を務め、歌人としても活躍する川上まなみさんが講師を務め、「私の強さで生きていく」と題して話しました。
川上さんは、将来に不安を感じている生徒たちのため、自身の経験や友人たちの生き方を紹介し「自分の強みを生かして、職業につなげられればいいなと思います」と。部活の俳句で培った季節感を強みに和菓子職人になった友人、スポーツを通して学んだ技術を生かし整体師になった同級生、語学が苦手だったものの外国に飛び込んで仕事を見つけた妹の話などを引き合いに「今では皆、自分が選んだ仕事を楽しんでいます」と話しました。
また、教員や歌人という自身が歩む道を振り返り「教員になったのは教えるのが得意だと感じたから」。短歌が好きになったのは「飛騨が好きになったことが大きな要因かな」と。中学まで飛騨は田舎なのであまり好きでなかったという川上さんですが、高校生になると、飛騨人の心の温かさなどに気付き、飛騨が好きになったそうです。「短歌はそんな自分の気持ちをいろいろな言葉で表現できるので好きになりました」と短歌の道に進んだきっかけを話しました。
川上さんは高校時代、文芸部に所属し「短歌甲子園」で2年連続優良賞を獲得。進学した岡山大学では角川主催の「大学短歌バトル2017」で優勝に貢献。その後も「現代短歌社賞」などで優秀な成績を収められています。今年3月には歌集『日々に木々ときどき風が吹いてきて』を刊行し、県歌人クラブの奨励賞に選出されています。
講話の締めくくりとして「今できないことでも夢として持ち続ければ、意外と叶うかもしれません。無理なんてことはありません。好きなこと、楽しかったことを大切にしていれば、あなたの将来は広がります」とエールを送りました。
終了後、文芸部に所属した中島咲音さん(3年)は「川上先生のことは中学の頃から知っいて、先生のようになりたいと短歌を始めました。今日は先生のお話を聞き、教員や歌人として立派な考えを持ってみえたことを知り、すばらしいと思いました。私も立派な歌人になりたいです」と話していました。