12月13日(水曜日) 古川小学校
飛騨地域の小学校では初めてとなる、サントリーホールディングス株式会社による子ども向けの次世代環境教育「水育(みずいく)」が、古川小学校の4、5年生児童141人を対象に実施されました。
これは、美しい水を未来へつなぐ活動の一環として、同社サステナビリティ経営推進本部が全国の小学校で行っているもの。昨年度は対面で167校、オンラインで125校、計292校で実施されたそうです。地方創生人材支援制度の一環でサントリー社から市へ派遣されている上田俊二企画部参与が市へこの取り組みを紹介し、同社の協力を得て市との連携事業で実現しました。
授業はクラスごとに行われ、4年1組では12月13日、総合的な学習の時間の一環で児童26人が受講。「水育」を担当しているサントリー水育専任講師の山崎静香さんが、きれいな水が育まれる環境や、水を育むために土や森、人が果たす役割などを説明しました。
山崎さんは、汚れた水を海や川へ流さない工夫や、水を使い過ぎない工夫について質問。児童らは「排水溝へネットを付けて食べかすを流さないようにする」「お風呂で使った水を洗濯にも使う」などと答えました。また、クイズ形式で「サントリーの天然水工場は、森の中と街の中のどちらにあるでしょうか」と問いかけ、「きれいで美味しい水は森で育まれるから、森の中にあります」と説明しました。
森には「水を貯える」「水をきれいにする」という大切な働きがあるとしながらも、「すべての森にこの2つの働きがあるわけではありません」と指摘。2つの森の写真を比べて違いを問いかけ、「日当たりが良い森は下草がよく育ち、さまざまな生き物が集まって、土がふかふかになります」「ふかふかの土が水を貯えてきれいにし、栄養たっぷりの森を育てます」などと紹介しました。児童らは、袋に入ったそれぞれの森の土をさわったり、持ち上げたりして違いを実感しました。また、山崎さんは実験装置を使い、ふかふかの土に浸み込んだ水が時間をかけてろ過され、水がきれいになる仕組みも分かりやすく説明しました。
児童らは、講義を通じて気づいた点をグループごとで話し合ったり、考えを発表したりしました。山崎さんは「皆さんが大人になったり、その先の未来にもずっときれいで美味しい水を飲めるように、これからは私たちがきれいな自然を守っていくことがとても大切」「今日の授業のことをお家の人に話してみてください」などと呼びかけました。
授業の後、由井嘉人さんは「最初は、ふかふかの土の方が水に邪魔なものが入って汚くなるかと思ったけど、本当はきれいになると分かってびっくりしました。水と自然と私たちにどんなつながりがあるかを勉強したのが一番印象に残りました」と感想を話していました。