4月1日(土曜日)高原郷土館
神岡町のシンボルとして長年親しまれてきた神岡城がこのほどリニューアルされ、新たなオープンを記念してイベントが行われました。「開門」の前に行われた式典には都竹市長や住田清美市議会議長が出席。都竹市長は「市の学芸員が気持ちを込め、手作りで行ったリニューアル。そうした思いが多くの方に伝わり、新たな歴史を刻むことを願います」などとあいさつしました。
高原郷土館の一角にある神岡城は、鉱山資料館や旧松葉家とともに昭和45年に開館しました。1階には寄贈された甲冑や獅子頭など、2階には町内で出土した縄文土器などの遺物を展示し、3階は展望台として活用されてきました。しかし、開館から50年以上の歳月が経過して建物の老朽化が進んだ他、展示内容も今の時代に合わなくなってきたため、地元からも施設の改築や展示の見直しなどについて要望が出されていました。
今回のリニューアルでは、各階ごとにテーマを決めて展示内容を一新しました。
1階は「江馬氏城館跡―中世武士の庭園と戦国の領域支配―」として、江馬氏の歴史や江馬氏が築いた多くの城跡の調査成果などをパネルで詳しく紹介。また、展示内容について学芸員が紹介する動画も見られるようになっています。展示・動画ともに英語表記も行っており、インバウンドへの対応も図りました。
2階は「神岡遺跡物語―縄文~中世―」として、神岡町内で出土した縄文土器や江馬氏下館跡で見つかった陶磁器など30点、縄文時代の石器50点、墨書土師器皿のレプリカ2点など計82点を展示。出土してバラバラのまま保管されていたかけらを1つの土器として見られるように組み直して復元。見て分かりやすい展示に生まれ変わりました。
3階は「高原郷と城下の眺め」と題して展望スペースとして整備。これまでは転落防止用の網が張り巡らせてありましたが、周囲に高さ1月2日メートルの柵を設置することで安全を確保し、神岡の町並みをすっきりと見渡せるようになりました。
東京から家族で帰省していて、今回のオープンをたまたま知って訪れたという渡邉迪江さんは「神岡町出身ですが、町を一望したことはありませんでした。自分の町がとてもきれいなんだと改めて確認できました。美しい自然も子どもたちに見せることができて良かったです」と笑顔で話していました。
リニューアル作業を担当した市教委文化振興課の大下永学芸員は「歴史をしっかり学べる展示になっているので、地元の方や子どもたちに、より活用いただきたいです。観光客の皆さんも大勢訪れる施設なので、分かりやすい動画や英訳も用意しました。外国の方も楽しめる場になれば。観光の振興と、地域全体の活性化につながるような場所になるといいですね」と期待を寄せていました。