2月1日(木曜日)いなか工芸館
河合小学校では長年、特産の山中和紙で卒業証書の紙を作成しています。この日は今年卒業を迎える6年生5人が同校で過ごした学校生活の思いを込め、各自で紙漉(す)きを体験しました。山中和紙は鎌倉時代から続く地域の伝統産業で、同校では長年、この和紙で卒業証書を作っています。
この日は約800年の伝統の技を受け継ぐ手漉き職人・柏木昭人さんが自身の工房で児童たちにお手本を示した後、各自でコウゾやトロロアオイの液が入った水槽の前で簀桁(すげた)を出し入れしながら紙漉きを体験。柏木さんは「和紙は薄いと破れやすいし、卒業証書になるので厚めに仕上げてください」などと指導していました。
漉き上げると彩りに紅葉を1、2枚あしらった後、送風機で水分を飛ばし、簀桁からはがした紙を熱した真ちゅうの板に貼りつけて乾かしました。児童たちは乾き始めると徐々に黄白色になる和紙を眺めながら、何度も何度もツバキの葉でこすって空気を抜いたりして完成させました。
児童の一人、竹林知菜さんはでき上がった和紙を手に「保育園の卒園証書や3、4年の時に体験し、今回で4回目です。破れないようにはがしたり、厚めに作るのは難しいですが、河合伝統の山中和紙の卒業証書がもらえるのでうれしい。誇りに思います」と話していました。
また、中島直子校長は「卒業式では世界に1枚だけの卒業証書を手に、河合小への愛情とふるさと河合への誇りを胸に巣立ってもらいたいと思います」と話していました。