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地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館を県内の学芸員らがレスキュー

印刷用ページを表示する掲載日:2024年4月30日更新

4月25日(木) 飛騨みやがわ考古民俗館
能登半島地震の影響で縄文土器や民具の一部などが破損する被害を受けた宮川町塩屋の飛騨みやがわ考古民俗館で、岐阜県博物館協会のメンバーや市職員が一堂につどい、破損した資料などのレスキュー(救済支援)事業が行われました。

破損したのは、同館考古展示室のガラスケースに展示していた県重要文化財に指定されている8点を含む縄文土器10点、民具資料室に展示していた民具のうち土びな2点とオルガン1点。震災直後に市学芸員が遠隔カメラで被害を確認しました。その後、現地で実際の被害の確認や片付けなどをした後、2月18日に同協会へレスキューの派遣を要請。同20日に協会の企画委員長を務める美濃加茂市民ミュージアム館長の可児光生さんが訪れて現地確認を行い、今回の派遣となりました。

当日は、岐阜県博物館や岐阜県美術館をはじめ県内で活躍する学芸員ら10人が来館。市の学芸員や作業員など7人と手分けしながら作業に汗を流しました。

壊れた縄文土器を接着剤や復元剤などで修復する作業と並行し、今後の防災対策として展示物をテグスやピン釘などで固定したり、展示物の内部に重しを入れて倒れにくくした他、シリコンシートなどを敷いて滑りにくくしたりしました。また、防災対策の作業の前には、展示物を1つひとつ移動させて念入りに清掃をするなど、専門家ならではの丁寧な作業が行われました。作業後はミーティングもあり、今後に向けた意見交換やアドバイスなどもありました。

同協会は、災害発生時などに協会加盟の博物館などが被災した場合、被害の発生状況などを確認した上で、資料の搬出や修復などのレスキュー活動を行う体制を整えています。これまでにも、関市で起きた水害で被災した住民の写真の修復などを手がけていますが、こうした博物館の資料のレスキュー活動は初めてだそうです。

当日も作業のために来館した可児さんは「飛騨市さんの資料が守られるというだけでなく、これからこういった助け合いをやっていく上でも、とても大事な経験をさせてもらっています。今回は考古学だけでなく、古文書や民俗など他分野の人が集まっているので、メンバーの勉強にもなっています」と話していました。

市学芸員の三好清超さんは「自分たちだけでは手に負えないことが多いので、助けていただくことには本当に感謝しかありません。今後は自分が助けていける立場になりたいです」「展示物を守れなかったことには悔やむこともありますが、今回を通じて技術を身につけたいです。学芸員のアップデートにもつながっていると思います」と話していました。

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(1)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(2)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(3)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の様子

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

救済支援後の資料の様子

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(4)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(5)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(6)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(7)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(8)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子

能登半島地震の影響で破損した資料の救済支援を行う様子(9)

地震で被災した飛騨みやがわ考古民俗館の資料をレスキューする様子