5月12日(日) 飛騨市美術館
8月4日まで飛騨市美術館で開かれている企画展「上葛明広展―高原郷がよみがえる瞬間―」の一環で5月12日、上葛さんによるギャラリートークが同館で行われました。
上葛さんは神岡町出身の洋画家。東京藝術大学では野見山暁治氏に師事し、講師も務められました。1987年からオーストリアに留学され、帰国後は女子美術大学で講師、教授として活躍されました。船津座の緞帳に描かれた原画を制作されたり、飛騨市美術館の顧問を務められるなど、市の美術分野の発展にもご尽力いただいています。また、油彩作品『焼岳』などを市美術館へ寄贈いただいています。
企画展では、上葛さんの新旧作品の他、神岡ニュースに掲載された絵や資料などを含めて約70点を展示しています。今回は制作年代別の展示ではなく、作品の主題を軸として観る人に楽しんでもらおうと、キーワードごとに作品を分けてコーナーを設置。第1章「拡がる記憶」では上葛さんの新作を中心に展示。第2章「水浅葱色」では上葛さんの創作の源ともなっている高原川を独特な色彩で表現した作品を展示。第3章「原点」では初期の作品群、第4章「鉱山の町」では工場などの人工物と豊かな自然が織りなす美を描いた作品などを展示しています。
この日は、来館された上葛さんが、それぞれの作品に込めた思いや主題、創作に至った背景や、モチーフとした風景の思い出、創作に対する自身の姿勢の変化などをていねいに語りました。また、創作の裏話などにもふれ、「筆が走って『途中まで描いた』と思っていても、こうして勢いに乗って描いた作品は、時間が経ってまた後で描こうとしても雰囲気が違ってしまうので、そのまま完成とした作品もあります」「高原郷は、原点というよりも、一番よく知っている場所だから描いているんだろうなと思っています」などと話しました。
水彩画に取り組んでいるという古川町の向林茂明さんは「今日初めて観ましたが、素晴らしい作品です。こうして実際に観て、いろんな説明を聞いて、さまざまな思いを持っていることが感じられました」などと感想を話していました。
開館時間は9:00~17:00で、入館は16:30まで。月曜休館(月曜祝日の場合は翌平日)。入館料は一般200円、高校生以下無料。
また、7月7日(日)9:30~15:30には飛騨市美術館で、上葛さんによる水彩画教室「水彩画を楽しもう!」が予定されています。定員20名。参加費1,000円。申し込みの締め切りは6月25日(火)。同館(0577-73-3288)へお申し込みください。
詳しくはホームページをご覧ください。