6月17日(月曜日) 杉崎廃寺跡
古川西小学校の6年生児童が、古川町杉崎にある県指定の史跡「杉崎廃寺跡」を訪れ、市教育委員会生涯学習課の三好清超学芸員から説明を聞いて遺跡を歩いたり、13年後の自分に対するメッセージを筆で木札に書く「木簡作り体験」などを行いました。
杉崎廃寺跡は、約1300年前に建てられた寺院跡で、中門・金堂・講堂が直線上に並ぶという珍しい配置がなされており、金堂の礎石などは当時のものがそのまま残っている貴重な遺跡です。全国的にも珍しい郡符木簡が県内で初めて発見されるなど飛騨を代表する遺跡の1つとされています。
同校の6年生児童は、総合的な学習の時間で「飛騨の魅力再発見」をテーマに、地域の人に話を聞いたりしながら飛騨市の魅力を調べる学びを行っています。今回は、学校から歩いて15分ほどの距離にある、この杉崎廃寺跡について三好学芸員から事前に話を聞いて学び、この日は実際に現地へ出向いてその魅力を肌で感じました。
児童らは、三好学芸員の案内で遺跡内を歩いて見学。礎石の上に立ってみたり、敷かれた石に沿って歩いたりして、当時の建物の様子を想像したりしました。三好学芸員は、それぞれの建物跡に立ち、金堂には仏様が安置されていたこと、講堂ではお坊さんが修行や勉強をしていたことなどを説明。「敷地内にあった塔は三重塔だったと考えられます」「建てられて100年後には火事で無くなってしまいました」「金堂の石は1300年間、動いていないことを覚えておいてくださいね」などと分かりやすく話しました。
遺跡を見学した後は、同遺跡の特徴の1つでもある木簡にスポットを当て、当時の人々の気持ちに寄り添ってみようと、木片に筆で文字を書くワークショップも行いました。株式会社飛騨の森でクマは踊るの皆さんが用意した幅3センチ、長さ10~20センチほどの木片に、13年後の自分に向けてのメッセージを書くもの。児童らは将来の夢を書いたり、「夢はかないましたか」「結婚してますか」など未来の自分に問いかける文章を書いていました。
池田広紀さんは「木簡を作るのが一番面白かったです。『挑戦をつづけていますか』とメッセージを書きました。木の表面がざらざらしていて書きづらかったけど、昔の人の感じを体験できて良かったです」と感想を話しました。
三好学芸員は「この場所で貴重な木簡が見つかったという事実に即したワークショップができました。これからの自分たちの生活において、杉崎廃寺跡という貴重な遺跡がすぐ身近にあるんだということを自分ごととしてとらえ、今の自分たちの生活につながっているんだと知ってくれたら」などと話し、元気な児童らの笑顔に目を細めていました。