6月26日(水) 古川郷土民芸会館
ドクダミやヨモギなど身近にある薬草などを煮出して作った染液を使って山中和紙を染める薬草活用講座の特別編「薬草染めのある暮らし」が、古川郷土民芸会館で行われました。
飛騨市では、自生する245種類の有用植物を活用しようと、薬草をテーマにしたまちづくりや市民の健康づくりを進める活動を行っています。今年10月14日~11月24日の日程で開催される「清流の国ぎふ」文化祭2024の一環で、各地域ごとに制作されるオブジェについて、飛騨市では河合町特産の山中和紙を使うことになり、市の特徴の1つでもある薬草を使った染液で染めた和紙をオブジェの一部に使おうと、今回のワークショップを企画。当日は、オブジェ制作の中心を担う大橋明日香さんが講師となり、市民の他、大垣市や小牧市などから6人が参加しました。
当日は、この時期に市内で入手しやすい旬の薬草を中心に、草刈りなどで刈られて捨てられるもの、古くなったものなどを有効活用しようと材料を準備。ドクダミやヨモギ、メナモミ、イノコヅチ、クルミ、ハルジオンなど6種類の葉や茎などを煮出して作った染液を用意しました。
大橋さんは、メナモミの葉を煮出して染液をつくる作業を実演。また、これまでの試行錯誤の過程を紹介し、「ドクダミのエキスを絞りとった後の絞りかすを使おうとしましたが、うまくいきませんでした」「熱い染液を使うと紙の繊維がほどけて、穴が開いてしまうことがありました」などと紹介しました。
作業では、それぞれ容器に入れた染液に和紙を浸して色付けを行った後、それぞれの染液に合いそうな媒染液を加え、色を定着させたり色の発色を良くしたりしました。参加者は、大橋さんから「浸したら紙はもまないで。水で洗う時も押し洗いをしてください」などとアドバイスを受けながら、和紙の草木染に挑戦。媒染液を加えて色がきれいに変化したりすると「きれい!」などと歓声をあげました。
参加した古川町在住の40代女性は「自然に生えていて、刈り取って要らない植物などを使えますし、花だけでなく茎でもいろんな色が出ることが分かりました。化学反応みたいで子どもも喜びそうなので、家でもやってみたいです。身近な花などを使って夏休みの課題にもなりそうですね。子どもと参加できたら、もっと楽しいかなと思いました」と感想を話していました。
大橋さんは「飛騨市ならではの和紙や薬草を使って、飛騨市らしいオブジェになるといいですね。1人でも多くの市民に関わっていただけたら」と話していました。