7月8日(月曜日) 古川小学校
飛騨市内在住や里帰り中の妊産婦さん、1歳ぐらいまでの子を持つお母さんらに寄り添い、出産から育児、子育ての悩みや家庭での困りごとなどについて幅広く相談にのる活動をしている「わたしの助産師さん むすび」のメンバーらが古川小学校を訪問し、4年生児童72人を対象に、命の大切さや命のつながりについて考えてもらう講義や寸劇の披露を行いました。
福祉をテーマにした総合的な学習の時間の一環で行ったもの。これまではメンバーの1人である助産師の長田直子さんが命をめぐる講義を個人で行っていましたが、今回は「むすび」の活動の一環として初めて実施しました。
当日は「むすび」のメンバー4人と、「むすび」に登録している母子7人が同校を訪問しました。最初に、長田さんが「むすび」の活動や助産師の仕事について分かりやすく紹介。最近は病院で生まれる子が多いですが昔はほとんど家で出産があったこと、日本では助産師は女性しかなれないことなどを説明しました。
また、受精卵や出産の場面の写真などを示し、「お母さんのお腹から産まれてすぐは紫色だったりしますが、『おぎゃあ』と泣いて呼吸を始めるとピンク色になってきます」などと紹介。亡くなって産まれる赤ちゃんもいると伝え、「あなたたちが元気で生きているのは奇跡。生まれてきただけで大事な存在なので、自分の心と体を大切にしてね」と呼びかけました。
受精卵の小ささを実感してもらおうと実物大の穴を開けた紙を見てもらったり、等身大の赤ちゃん人形を抱っこする体験もありました。児童らは、頭を支えながら抱っこしたり、赤ちゃんの頭にあるへこみを触って体感したりしました。
その後、訪れたメンバーや母子らが参加して手作りの寸劇『飛騨むすび物語』を上演しました。洗い物などのため瀬戸川用水に集まってくる女性らが、井戸端会議で日々の暮らしを話し合って交流したり、家で出産する様子など、地域で命が紡がれていく物語をコミカルに熱演。出演者の出産・子育ての日々を撮影した写真もスライドで紹介しました。終演後は、参加者が「好きなことをやり続けて楽しく生きてね」「周りの人や友達を大切にして笑顔で羽ばたいてね」などのメッセージを伝えました。
観劇し終えた後、後藤琉来さんは「お産がいろいろ大変だと分かりました。赤ちゃん人形は思っていたより重かったです。お母さんの大変さも分かりました」と感想を話しました。
長田さんは「子どもは地域の大事な宝。町に子どもたちの笑顔があふれ、赤ちゃんが元気に生まれてきて、これからもずっとこの町が幸せに続いていくことを先人の皆さんは願ってみえると思います。今回の劇で『自分もその1人なんやなあ』と胸に刻んでほしいし、自分がすごく大事な存在なんだと感じてもらえたら」と話していました。