7月11日(木) 古川小学校
総合的な学習の時間で米作りについて学んでいる古川小学校の5年生児童75人が、「おいしいお米を作って食べたい!飛騨市の米作りの極意を学ぶ会」として、飛騨市農林部農業技術専門監の鍵谷俊樹さんから米の歴史や特徴、作り方の基礎やコツを学びました。
5年生児童は社会科でも稲作について学んでおり、これと併せて米作りの実践や調べ学習にも取り組んでいます。グループごとのテーマについて事前に自分たちで調べ、分からないことや知りたいことについて専門家に質問し、意見やアドバイスをもらおうと実施。この日は、米の歴史や種類、産地などについて取り上げ、岐阜県中山間農業研究所の元所長で、米・食味分析鑑定コンクールなどで金賞を受賞した経験もある鍵谷さんにさまざまな疑問を投げかけました。
「なぜコシヒカリが飛騨でたくさん作られているんですか?」の問いに、鍵谷さんは「20年ほど前、新潟県のコシヒカリが日本で一番美味しいと言われていましたが、飛騨の人たちが『俺たちはもっと上手に作れる!』と言って中山間農業研究所へ相談に来られたんですね。そこで研究を重ねながら上手な作り方を開発して教えて、みんなでそれを勉強して米作りがうまくなりました」と当時を振り返りながら話していました。
「飛騨のお米にはどんな栄養がありますか?」の問いには、「品種によって粘り気とか甘味とか柔らかさとかの違いはありますが、栄養はそんなに変わりません。ただ、米の胚芽の中にはビタミンとかタンパク質とかミネラルが入っているので、これを取り除かない玄米を食べた方が栄養価は高いです」などと回答。また、金賞を取った時の米作りについては「お米の表面にあるタンパク質が多いとまずくなるので、これがギリギリまで少なくなるように作ってみたら賞を取れました。同じ品種、同じ土地でも、田植えの時期によって味は変わってくるので米作りは難しいです」と説明しました。
米の生産者が減っている現状への質問もあり、「人口が減ったり食文化が変わって米を食べる量が減れば、栽培する面積も農家も減ります。みんながいつもよりたくさん食べてくれると、農家の人も喜んで『頑張ろう』と思ってくれます」と強調しました。
講義の後、後藤望亜さんは「鍵谷さんの話を聞いて、お米の生産者が減っている理由が分かりました。家でも田んぼを作っていて、私も手伝ったりするんですが、作る量が少なくてほとんど出荷するので、家ではあまり食べません。お米を飽きずに毎日たくさん食べられるよう、いろんな料理についても調べてみたいです」と感想を話していました。