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「飛騨市山城ガイド」養成講座が始まりました

印刷用ページを表示する掲載日:2024年7月16日更新

7月12日(金) 飛騨市図書館

飛騨市がこれまで調査研究を進め、今年2月に国史跡の指定を受けた中世の姉小路氏に関わる5つの山城について、その価値と魅力を広く発信するため、関心のある方々に対して調査にもとづく事実を正確に伝える活動をしていただく「飛騨市山城ガイド」の養成講座が開催されました。

飛騨市教育委員会が実施するもので、座学や現地で行う講習などを受講した後、学芸員が作成した試験に合格すると「飛騨市山城ガイド」の認定証が交付されます。

養成講座には17人の応募があり、初回講座は市公民館講座の応募者12人も交えて行われました。この日は、まず古川城と小島城のガイド育成を推進しようと、この2城を中心に講座が実施され、市の三好清超学芸員が「姉小路氏城跡の縄張りと発掘調査成果」をテーマに講義を行いました。

三好学芸員は、レーザー測量の結果などをもとに作成した縄張り図や、発掘調査の様子を撮影した写真などを示しながら、判明した事実やそこから導かれる考察などを説明しました。全てを発掘するのではなく、城跡の構造を明らかにするために必要な部分だけを試掘するトレンチ調査の成果などを紹介。石垣の形状や造り方、礎石の有無、土坑の跡、同時に発掘される土器や陶磁器などの事実をていねいに積み上げ、そこにあった構造物の種類や配置、築城・改修された年代やそれを担った武将が誰かなど、推察できることを紹介しました。

姉小路氏城跡は、同氏やその後の三木氏、金森氏とそれぞれの権力の転換期に築城・改修されており、他国に対する権力者の意識が見てとれるなど、飛騨地域の支配のあり方の変遷がよく表われている遺跡だと特徴を説明。また、「史跡」への指定は自治体側が望んで行うもので、国に積極的に働きかけていくものだと強調しながら、調査研究と保存・継承を進めて地域に愛される城跡として整備・活用し、地域振興や観光振興へ寄与していきたいと話しました。
参加者は熱心に耳を傾け、活発に質問したりしていました。自然案内人やクアオルト健康ウオーキングガイドなども務めている古川町の田中博さんは「今までいろんな報告を少しずつ聞いていましたが、それらを統一して話を聞けたので、全体像がよく分かりました。発掘調査をもとに事実を洗い出しているのがいいですね。今日教えていただいたことを健康ウオーキングの小島城コースでもお客様に伝えられたら。お客様にとっても魅力的な内容だと思います」と話していました。

当日の様子

「飛騨市山城ガイド」養成講座の様子

養成講座を担当した三好学芸員

受講生の様子
受講生の様子​​​

養成講座を担当した三好学芸員

養成講座を担当した三好学芸員