7月24日(水曜日)常蓮寺
神岡町吉田の常蓮寺で400年続く「太子踊り」(県重要無形民俗文化財)が行われ、氏子のほか町外からも多くの市民らが訪れ、境内いっぱいに踊りの輪をつくって楽しみました。
この踊りは同寺に安置されている聖徳太子自作と伝わる「聖徳太子像」が、寛永3年(1626年)、越中の寺に移されたところ、この地域が飢きんに見舞われたため、氏子らが高山藩主に太子像の奉還を願い、望みが叶うと、皆で喜び勇んで踊ったのが始まりとされています。
この日、境内に組んだやぐらでは「吉田太子踊り保存会」(水邊義和会長)の皆さんが「とこ、どっこいしょ~」と約1時間半にわたって休むことなく唄と囃子を、やぐらの周りでは浴衣姿の女性や家族連れらが自慢の踊りを披露していました。
同保存会では神岡小学校の児童を対象に毎年、出前授業に出掛けて踊り方を教え、伝統文化の継承に努めています。このため踊りの輪には多くの子どもたちの姿が見られ、また、太子バザーや金魚すくい、お太子くじなど盛りだくさんの出し物に歓声を上げていました。
家族で参加した葛谷真琴さん(神岡小3)と新家葵さん(同)は「毎年、楽しみにしています。2種類の踊りがあって、途中で踊り方が変わるところがむずかしいけど、もっと練習して上手になりたいです」などと話していました。
また、踊りの輪には古川町の「大きな輪になろう古川盆踊り同好会」(下出剛央会長)のメンバーもピンクの法被を着て合流し、花を添えました。
下出会長は「太子踊りは長い間立派に続けて来られ、大したものです。保存会の皆さんとは互いに行き来して交流を続けていますが、私たちの同好会は20年の節目を迎え、今年で活動を休止します。いずれは若者に好まれるテンポのある踊りを作って再開したいと思いますが、それまでは太子踊りに参加させていただき、交流を続けたいと思います」と話していました。