8月1日(木曜日)市役所
神岡町森茂地区(山之村)で昭和50年代から栽培されている「山之村韃靼(だったん)そば」が飛騨市伝承作物に認定され、生産者の下梶勝彦さん(神岡町森茂)に都竹市長から認定証が贈られました。
韃靼そばは生活習慣病に有効とされるルチンが、一般的なソバの50~100倍含まれています。ルチンは加水すると苦み成分のあるケルセチンに変わるため、別名「苦そば」とも呼ばれます。
下梶さんは7ヘクタールのソバ畑のうち、1ヘクタールで韃靼そばを栽培。しかし、近年出荷する販売店がなくなり、生産中止を考えていましたが、このほど地元の食堂「夕顔の駅」が営業を再開し、また、昨年東京から河合町新名に移住した市東英司さんが経営する「市東製作所」でパンに加工し、販売することになったため、生産を継続することになりました。
認定式では中野多千子認定委員が「山之村韃靼そばは伝承作物の中でも個性が強く、飛騨市の新たな特産になるものと考えています」と述べ、高く評価されました。
市長から認定証を受け取った下梶さんは「生産中止も考えていただけにうれしい。今後は土・日曜と祝日に夕顔の駅で販売してもらいますが、パンという新たな商品も開発され、ありがたい。これからも『山之村と言えば韃靼そば』と言われるようにがんばります」とあいさつしました。
都竹市長は「今回は山之村韃靼そばをパンに利用するという伝承作物の新たな試みもあり、期待したい。ルチンにはかねて関心がありますが、健康志向が高まる中、これまでの伝承作物と違った効果も得られるのではないかと思います。今後、栽培を続けていただきながら、更に活用を図り、市民の健康づくりに役立てていただきたい」とあいさつしました。
この後、市東製作所のパンの試食会があり、市東さんは「韃靼そばを加えると色がきれいで、深みのある味になります。とても魅力のある素材です」と話し、参加者からは「もっちりしておいしく、苦みもほとんど感じません」「黄緑色の彩りがきれい」と好評を呼んでいました。
飛騨市伝承作物は古くから栽培されている作物の継承と地産地消の推進、地域振興を目的に平成29年度に始まった制度で、今回で16件目になります。