8月10日(土曜日)宮川町地内の宮川
アユ釣り界のレジェンド・室田正さん(75)と友釣りが楽しめる、飛騨市のふるさと納税返礼品「おっちゃんレンタル第2弾~アユ友釣り個人レッスン付き体験プラン」が宮川で開かれました。
「おっちゃんレンタル」は市内の“名人”や“変人”と呼ばれる人と交流したり、レッスンを受けたりできる体験プランです。
室田さんはかつてアユ釣りのトップトーナメンターとして名を馳せ、7年前、宮川下流のアユにほれ込み、京都から飛騨市宮川町に移住しました。現在、宮川下流で釣れるブランドアユ「飛騨のあばれ鮎」の普及や、後進の指導に一役買っています。
この日は名古屋、東京など各地から家族連れら17人が訪れました。開会式で室田さんは「釣ってよし、食べてよしの“あばれ鮎”を若い人や子どもたちに知ってもらうことが何よりもうれしい。僕の一番の務めと思っています。“あばれ鮎”の力強さを是非知ってください」とあいさつ。
また、ふるさと納税の運営を任されている(株)ヒダカラ(古川町)の舩坂康祐代表は「是非アユを釣っていただき、豊洲市場や都内の高級料亭にも出荷されている“あばれ鮎”のすばらしさを知ってほしい。こうしたディープな返礼品は観光事業主体の飛騨市にとって誘客につながるばかりか、地域経済を回すメリットが得られます」と感謝の言葉を述べました。
この後、参加者は3つのグループに分かれ、交代で友釣りに挑戦しましたが、水温が低く、なかなか姿を見せてくれませんでした。竿を持つ参加者の隣で室田さんは釣り方のコツを教えながら「いい感じに(おとりアユが)石に付いてんやけど。水が冷たいなぁ」「群れ鮎も少ないな」「長いこと大水が続いたからアカ腐れもなく、ええ感じやけど」と首をかしげていました。
「宮川には冷たい谷水が40か所ほど流れ込んでいます。広葉樹に囲まれているのでミネラルをたくさん含み、水質がいい。環境はバッチリ。大きい石もたくさんあるし、流れが強くても石に当たって弱くなる。良質なコケもいっぱい付いて、ええ鮎が釣れるんやで♪」と“あばれ鮎”についても盛んにピーアールしました。
室田さんの軽妙な関西弁に耳を傾けている参加者は「釣れないけど、緑がとてもきれい。風も気持ちいい」と笑みを浮かべている人も。グループを行き来する室田さんは時々「おとりを替えてみよう」と、おとりアユを手際よく取り替えてみせると、参加者は手元をじっと見つめ、細かな言動も聞き逃すまいと神経を集中していました。
釣果は全部で4匹。約2時間にわたって釣りを楽しんだ後、“あばれ鮎”の炭火焼きと鮎ご飯が振る舞われ、室田さんは「身が締まり、おいしい昭和の初期のような鮎や」と串に刺したアユを手渡していました。最後に、室田さんは養殖アユと全体に黄色味を帯びた“あばれ鮎”の違いを説明し、全員に「弟子認定証」を手渡しました。
名古屋から家族で参加した香田浩一さん(44)の妻・恵さんは夫と1匹ずつ鮎をゲット。恵さんは「竿が重いので、夫と交代しようとしたらかかっていました。名人に糸を手繰り寄せてもらって釣ることができました。子どもたちは残念でしたが、きれいな景色や貴重な体験をさせてあげられよかったです」と話していました。