8月18日(日) 古川郷土民芸会館
元内閣府辞令専門職で、新元号「令和」の墨書を揮ごうしたことで知られる古川町出身の書家、茂住菁邨さんによる書のワークショップが、古川郷土民芸会館で開催されました。
午前は大人向けに、硬筆に重点を置いて美しい文字を書くための基本を学ぶ「実用書道・美文字講座」、午後からは小中学生向けに、好きな文字を書いた紙や千代紙、シール、自分の名前を彫ったはんこなどで飾り付けたオリジナルのうちわを作る「手書きのうちわ」講座が行われました。
「手書きのうちわ」講座には、市内や高山市から14家族18人が参加しました。茂住さんは「亀」や「鹿」、「象」などの象形文字を紹介しながら、「文字は物の形や特徴を表しているんだよ」と説明。また、筆はしっかり立てて使うことや書く際の姿勢などを指導しながら「紙に文字をまっすぐ書けなくても、自分の名前のはんこを押すと出来映えが変わってくるから、気に入らない作品でも捨てないで」「とにかく楽しみながら、自分の好きなように書いて」とアドバイスました。
参加者は、茂住さんに書いてもらった手本を参考にしながら、自分で選んだ半紙や千代紙などに好きな文字や名前を墨書。自分の名前を1文字彫り入れたはんこも作成し、作品に押印しました。文字を書いた紙を千代紙やシールなどと一緒にうちわに貼り付けて完成。子どもたちは神妙な表情で熱心に取り組み、完成したうちわを満足そうに眺めたり、笑顔であおいだりしていました。
参加した神岡小学校3年生の今村伊織さんは「文字を書くのは難しかったけど、はんこを作るのが楽しかったです。できたうちわは玄関の掛け軸の下に飾ります。次もまた参加したいです」と感想を話しました。
講義の後、茂住さんは「言われたからやるんじゃなくて、自分のやりたいことを見つけて!いろんなことを見て聞いて、好きなことを見つけて邁進すると、素晴らしい世界が訪れます!」と呼びかけました。また「教育というよりも楽しんでもらうことを大事にしたい。自分の手で好きな文字を書いたり好きな色を塗ったり、はんこを作って自由に押したりして楽しむことで、子どもの中にあるものや、やりたいことを引き出せたら」と話していました。