8月23日(金) 市役所
4回目となる「飛騨市平和都市宣言」検討委員会が開かれ、宣言策定に向けてのワークショップや、中学生による平和への思いの発表などが行われました。
飛騨市では、市民の平和に対する意識の醸成や、平和について考えていただく機会の創出を目指し、平和に関するさまざまな事業を行っています。その一環として「飛騨市平和都市宣言(仮称)」の策定を目指し、検討委員会を発足。東北学院大学法学部教授の池田丈佑さんや市内の各種団体、一般の公募委員など18人がメンバーとなり、平和について学びながら宣言文作成に向けた取り組みを進めているところです。
この日は、長崎市で開かれた「青少年ピースフォーラム」に参加した市内の中学生8人が、同フォーラムで学んだことや感じたこと、市民に伝えたいことを委員の皆さんなどに報告。被爆者から聞いた原爆の恐ろしさや戦争の悲惨さを広く伝えていきたいこと、自分と同時に相手も尊重して大事にしていく必要があることなど、経験から得た学びや気づきをそれぞれの言葉で発表しました。
発表を終えた神岡中学校1年生の中村朱李さんは「研修では、核兵器の怖さと、ちょっとした争いが大きな争いにつながっていくことを一番学びました。発表では緊張しましたが、思いは全て伝えることができました。今回は日本の長崎のことを学びましたが、今後それ以外の戦争のことも知ってみたいです」、同じく3年生の中村紅葉さんは「今までニュースや学校で戦争の話を聞いたことはありましたが、研修で実際に被爆された方のお話を聞いて、思っていた以上に被害がひどかったことや、今でも苦しんでいる人がたくさんいることを初めて知りました。研修では貴重な体験をたくさんさせていただいたので、学校の友達や身近な人たちに伝えられたら」などと思いを語りました。
中学生による発表の後、池田さんは、広島市から送られてきた平和宣言が記された書面を示しながら「これが平和都市宣言の元祖です」と紹介。「言葉の中にどういう意味を込めていて、何が大事なのか、人類として何が許せないのかを考え続けることが大事。考え続けることは大変ですが、止めてしまうと考えない人たちになってしまう。戦争は、そういうところですっと出てきます」と強調しました。また、「全国の自治体の取り組みを見て、平和宣言を使って一生懸命なにかをしようとしているのは役所です。それを役所の手から離してしまえば私たちでやるしかない。宣言を額に飾って置いておくのでなく、図書館で平和をテーマにした絵本を並べるだけでもいいので、私たちの手でできる平和を求める活動を続けて」などと呼びかけました。
後半では、宣言に盛り込む言葉を選び出すワークショップを行いました。委員らがそれぞれ「絶対載せたい」と思う言葉を持ち寄り、グループワークで10個ほどに絞り込む作業を実施。さまざまな議論の末、宣言の土台となるキーワードが選ばれました。今後、具体的な宣言策定に向けて検討を重ねていきます。
委員の1人である古川町の川井裕子さんは「この8月は例年になく、戦争についてのドラマやニュースなどがたくさんあったので、この平和都市宣言を飛騨市で作りたいというのは、本当に意義のあることだと思います。今日は中学生の話も聞いて、若い子にこそ、こういうことを知ってほしいと思いました」と話していました。