9月4日(水曜日)古川小学校
「認知症月間」に合わせて、古川小で「認知症サポーター養成講座」が開かれました。高齢化率40パーセントを超え、超高齢社会を迎えた飛騨市では高齢者の増加に伴い、今後、認知症患者がますます増え続けると予想されています。
このため市は認知症患者とその家族を支援する「認知症サポーター養成講座」を開催しています。そして、将来を担う子どもたちにも早い内から患者への理解と正しい知識を身につけてもらおうと、令和3年度から各小学校でも講座を順次スタートし、「認知症キッズサポーター」を養成しています。
この日は飛騨市認知症キャラバンメイトの会員ら6人が同校を訪れ、4年生80人を対象に講座を開きました。最初にキャラバンメイト代表の下堂前利子さんが記憶障害の仕組みなどについて解説し、続いて患者との接し方などを寸劇を通して学んでもらいました。
下堂前さんは記憶障害を引き起こす脳の構造についてスライドを使って解説。この後、クイズ形式で“物忘れ”と“認知症”の症状との違いをさまざまな事例を取り上げ、分かりやすく説明しました。
また、認知症患者との接し方に関する心得、つまり(1)驚かせない、(2)急がせない、(3)自尊心を傷つけないという3つの“ない”を教え、「声をかける時は正面からやさしい口調で話しかけ、相手の言葉にはきちんと耳を傾けることが大切です」と指導しました。
続いてキャラバンメイトの皆さんによる「寸劇」が行われました。ストーリーは帰り道が分からなくなった認知症のお年寄りに出会った小学生の行動を描いたもので、実際に子どもたちも加わり、役者を通してお年寄りとの接し方を体験。
児童がお年寄りとの接し方に戸惑っていると、下堂前さんは「困ったら近くの大人を呼んで、助けてもらってください。認知症の人は地域で守ってあげられるよう、明るい町にしたいですね」などとアドバイスしていました。
受講した4年生の竹村紬さんは「認知症になった時の脳の働きがよく分かりました。お年寄りが困っていたらやさしく声を掛け、ゆっくり相談に乗ってあげたいです」と話していました。
講座終了後、児童たちには認知症キッズサポーターを証明するカードとオレンジリングが贈られました。