9月15日(日曜日) 飛騨市文化交流センター
神岡町のシンボルともなっている巨大な「立ち達磨」像と短歌を連動させたまちづくり活動を行っているTLSL実行委員会が、昨年初めて歌集を出版したお笑いタレントのウド鈴木さんによるトークショーと、毎年実施している短歌コンクールで審査員を務めている歌人の土岐友浩さんと坂井ユリさんを招いた短歌教室を開催しました。
市内に根づき始めた短歌文化を、市民にもっと身近に感じて気軽に楽しんでもらいながら、活動をさらに活性化させようと企画したもので、市制20周年記念事業の一環として開催しました。
トークショーの冒頭、ウドさんは元気よく登場し、舞台を走りまわった後、司会の森茂聡子さんとおなじみの「キャイ~ン」のポーズを決めて会場を沸かせました。トークでは、短歌を始めたきっかけなどを紹介。番組の企画で旧ツイッターを始め、やがて自分の気持ちを伝えたいと考えるようになりましたが、思いをまとめて文章を書くことが苦手で、読む人も大変だろうと自分なりの取組み方を思案し、短歌にたどりついたと紹介しました。
心で思うことや日常で感じたことなどを気軽に書き留め、読む人にほっこりしてもらったり、悩んでいる人の背中を押せたらという気持ちで始めたと説明。「思い浮かんだことを書いて、たまたま読んだ人が元気づけられたらいいなあと思っていましたが、作品を見直すと結局、自分に向けて書いているような感じになっています」などと現状を話しました。
後半には歌人の土岐さんと坂井さんも登壇して対談が行われました。ウドさんは「自分の作品を声に出して読むのが恥ずかしい」などと語りながら、「周囲の人にはなかなか言えないような自分の思いを何かで残しておきたいという気持ちもあって、自分の遺書のようなものとして本を出しました」などと思いを語りました。俳人の種田山頭火、歌人の俵万智さんの影響を受けた話や、青春時代の恋の思い出話などもあり、訪れた人を楽しませました。
土岐さんと坂井さんによる短歌教室には16人が参加しました。短歌は「57577」のリズムにのせて作る定型詩であることや、俵万智さんの『サラダ記念日』が現代短歌に大きな影響を与えたことなど基本的なことから説明。2人が高く評価している歌人の作品を紹介したり、その解釈や良さなどを示しながら短歌の面白さを伝えました。
すでに発表されている作品の一部を空欄にして、そこにどんな言葉があてはまるかを想像する短歌穴埋めクイズを楽しんだり、土岐さんや坂井さん、飛騨市出身で歌集も発表している川上まなみさんからアドバイスを受けながら「恋」などをテーマにした短歌づくりに挑戦しました。その場で参加者の作品の発表もあり、講師の皆さんがそれぞれの短歌の良さなどを解説、講評しました。
短歌教室とウドさんのトークショーの両方に参加した古川町の舩坂政子さんは「短歌をつくるのは初めてでしたが、とても良かったので、これをご縁に始めたいと思います。ウドさんのトークショーは、テレビで見ていたお人柄に惹かれて来ましたが、そのままのお方で良かったですし、お話も分かりやすかったです」と喜んでいました。