10月5日(土曜日)宮川町種蔵地区
昨年スタートした「飛騨種蔵棚田そば」オーナーの皆さんによる収穫作業が行われました。“飛騨市ふるさと種蔵村”が棚田の荒廃防止と地域振興を目的にスタートしたもので、今年は10人のオーナーが参加し、種まきから収穫まですべて手作業で行いました。
この日収穫したのは宮川町の在来種「万波そば」で、5枚合わせて12アールの棚田で栽培したものです。参加者は種蔵村村長の荒谷勇さんから収穫方法などを学んだ後、さっそくソバ畑に移動し、鈴なりになった穂をわしづかみにして草刈り鎌で刈り取りました。
「根がすぐに抜けてしまうので刈り取るのが大変」「雑草がソバと一緒に生えているのでより分けるのが面倒で」とため息をついていると、荒谷さんは「雑草は脱穀する時に機械が選別してくれるから気にしないでください」などと助言していました。
収穫したソバは万波そば生産組合の岡田孝幸組合長らがコンバインを使って脱穀。選別された実はこの後、組合員らの手で乾燥や石抜き(ごみ取り)を行い、昔ながらの石臼を使ったり、製粉所に運んでそば粉にされます。
荒谷さんによると、今年は播種の直後に雨が多かったため、一部芽を出さない所がありましたが、その後好天に恵まれて実の付きや品質など、生育は良好。昨年設けた電柵のお陰で獣害もほとんど見られなかったそうです。
富山県から参加した山下邦治さんは「ソバは大好き。ソバ打ちは経験あるけど、収穫は初めてです。今年はすべて自分で作ったそばが食べられると思うと今からワクワクします」と。同じく富山市から参加した飯野裕子さんは「種蔵の景観は以前出掛けたバリ島に似て、大好き。さわやかな風が気持ちよく、心が洗われる気分です」と笑みをこぼしていました。
この日収穫したソバは約40kg、粉にして28kgほどになるという。ソバ粉は11月に行われる「そば打ち体験」でオーナーの皆さんに分けられるそうです。