10月16日(水曜日) 市役所
飛騨市などを舞台にした映画『仏師』の制作発表記者会見が、市役所で開かれました。会見には、主演の「楠久直哉」役を演じる俳優の遠藤雄弥さん、その妻「楠久陽真理」役を演じる土村芳さん、監督の田中綱一さん、プロデューサーの副島義樹さんと益田祐美子さん、都竹市長らが出席。作品に対するそれぞれの思いや、撮影に向けての意気込みなどを語りました。
物語では、ある出来事をきっかけに仏像を彫ることができなくなった仏師が、心の中に何かわだかまりを抱える妻とともに飛騨の山あいの集落へ移り住みます。主人公は、地元の人々と交流を深める中で焼けただれた仏像と出会い、すべての登場人物の間に不穏な空気が流れていることを知ります。物語が進むにつれ、そうした謎や人々が抱える罪や後悔、悲しみが明らかになった時、人々はそれらとどう向き合い、どう生きていくのかを描く作品となります。2025年から2026年にかけて飛騨市を中心に高山市や奈良県などで撮影され、2026年に全国公開される予定。撮影には、市民の皆さんもエキストラとして多数参加されるそうです。
10年間企画を温めてきたという田中監督は、映画化へ向けて「飛騨市へ来た際、目の前に広がる雄大な自然と地域の皆さんの親しみやすい人柄に魅了され、ぜひとも飛騨で撮影したいと話しました。たくさんの方々とのご縁と、20年にわたる思いが詰まった作品になります。皆さんの心に届くような素晴らしい作品にしたい」と思いを語りました。
遠藤さんは「人の心、そして愛が大きなテーマとして描かれていて、とても演じ甲斐のある作品だと思いました。生半可な気持ちで参加できる内容ではなく、真摯にしっかり向き合ってやらなければと感じました。見ているお客様の心をわしづかみにするようなシナリオだったのが、演じたいと思った決め手です」と参加を決めた理由などを紹介しました。
土村さんは慎重に言葉を選びながら「シナリオを読んでいるこちらに届くくらい、強い思いみたいなものを感じました。監督が見ている世界を私も見たいと思える台本で、その世界の中に飛び込みたいという気持ちが沸き上がったので、覚悟を持って演じたい。1年をかけて撮る映画は初めてで、私にとってすべてが新しい挑戦。緊張と楽しみがあります」などと意気込みを語りました。
都竹市長は「飛騨市河合町には日本で唯一、止利仏師の生誕伝説があり、ロケツーリズム協議会によるマッチング大会の際にお会いして『仏師』がテーマだと聞き、これはうちで撮るしかないと思いました。きっと素晴らしい映画になると思いますし、多くの方々のご支援をいただき、市も全面的にサポートしていきたい」「飛騨市で撮影される映画がまた1つできることを楽しみにしています」などとあいさつしました。
俳優の2人は飛騨での楽しみについてもふれ、遠藤さんは「飛騨牛のビーフカレーがとても美味でした。いろんな飛騨牛料理を食べたいと今からわくわくしています」、土村さんは「飛騨弁をまだ聞けていないので、これから聞いていけたら。ナツメを初めて食べて、美味しく堪能できました」などと和やかな雰囲気で話していました。