3月15日(土曜日)神岡町公民館
長年にわたり飛騨市神岡町で研究を続けてこられた中畑雅行教授と大橋正健教授が、このたび定年を迎えられるにあたり、退職記念講演会を開催しました。当日は200名以上の方が来場し、お二人のメッセージが刻まれた記念品が贈られました。
中畑教授からは、カミオカンデの建設にまつわる話をはじめ、超新星爆発にともなうニュートリノ観測データの解析に関するエピソード、さらにはスーパーカミオカンデ建設時に神岡に常駐していた頃の様子など、44年間にわたる研究人生の思い出を、貴重な体験談とともに語られました。
大橋教授からは、大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設について、トンネルの見学会やKAGRA完成式典の様子などが紹介されました。また、能登半島地震の影響で観測を停止したことや、地下環境ならではの厳しさについても語られました。さらに、多くの当時の写真を交えながら、地元との関わりや支援のエピソードにも触れました。
後半では、お二人と梶田隆章教授によるスペシャル対談が行われ、事前に寄せられた質問にお答えしながら、宇宙物理学を研究するようになった経緯や、研究で直面した困難、神岡でのエピソードなどを語り合いました。時折笑いが起こる場面もあり、和やかで楽しげな雰囲気のもと、貴重なお話が交わされました。
そして最後に神岡中学校の生徒から感謝の気持ちを込めた花束が贈られ、温かい拍手に包まれながら、講演会は締めくくられました。