6月28日(土)・29日(日) ハイパーカミオカンデ地下空洞掘削現場
世界最先端の素粒子観測装置「ハイパーカミオカンデ」を設置するために神岡町内の地下600メートルで進められていた地下空洞の掘削がまもなく完了することを記念し、装置の本格的な建設が始まる前に、一般市民や報道関係者向けの見学会が現地で行われました。
この装置は、ニュートリノなどの粒子の観測を通して、私たちの体や宇宙をつくる物質はどのように生まれたのか、素粒子の本当の仕組みはどうなっているのかなどの謎に迫るもの。現行型であるスーパーカミオカンデの有効体積の約8倍となる巨大な水タンクに大量の超純水が蓄えられ、これまでの2倍の性能をもつ超高感度光センサーが敷き詰められます。スーパーカミオカンデの100年分のデータを約10年で得ることが可能とされ、2028年の観測開始を予定しています。
地下空洞は直径69メートル、高さ94メートルの円筒型で、上部はドーム型になっており、地下の人工空洞としては世界最大級を誇ります。また、隣には超純水をつくる装置を設置するため、幅16メートル高さ17メートル奥行101メートルの空間も掘削されました。
29日の一般向け見学会には市内外から600人が参加しました。装置の概要や掘削工事の工程などを紹介する動画を見た後、専用バスで現地へ移動。関係者の案内で本体を設置する空洞や、超純水をつくる装置を設置する空洞などを巡り、写真を撮ったりして熱心に見学しました。
宇宙物理学に関心があって参加した古川町の山口紗希さんは「空洞上部から下を見下ろした時に人がすごく小さく見えて、空洞がすごく高いことがよく分かって面白かったです。貴重な機会なので来れて良かった」と喜んでいました。
家族で参加した神岡町の山田尚人さんは「神岡に大規模な施設があるということで、一回見ておきたいと思い応募しました。水が貯められる所を見て『こんなものがあるのか』と、大きすぎてびっくりしました」と話していました。