7月8日(火曜日)・9日(水曜日) 古川中学校
認知症について正しく学び、人権感覚を養ったり福祉の仕事に関心を持ってもらおうと、古川中学校の2年生138人を対象に「認知症サポーター養成講座」が開かれました。
認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族に対して自分のできる範囲で手助けできる人のこと。認知症になっても安心して暮らせる地域を目指し、飛騨市認知症キャラバンメイトの皆さんが市内各地で養成講座を行っています。この日はキャラバンメイト4人が同校を訪れました。
講義では、認知症の症状には大きく分けて2つあり、記憶障害など治すことができない「中核症状」がある一方、不安やうつ、妄想、暴力といった「行動・心理症状」は誰にでも起きるわけではなく、周りの人の助けで改善することもあると紹介。また、認知症の人の気持ちを想像しながら「声をかける時は一人で前方から」「穏やかに、はっきりした話し方で」「相手の言葉にしっかり耳を傾け、ゆっくり対応する」ことなど接し方をアドバイスしました。
家に帰れず困っている認知症の人を生徒が助けるワークショップも実施。対応が難しい場合は、近くの大人に助けを求めるのも大事だと強調し、「困っている人にやさしく声をかけて。放置はしないで」と呼びかけました。講義の後、生徒らには認知症サポーターカードとオレンジリングが手渡されました。
受講した松永岳さんは「認知症といっても、みんながなる可能性がある病気だと分かって驚きました。もの忘れをしてしまっても、感情や心はあることを忘れないことが大切だと思いました」と感想を話しました。
講師を務めた、ものわすれ相談窓口「オレンジの森」の下堂前利子さんは「生徒さんが認知症の人に限らず、誰にでもあいさつしたり対応してくれるようなやさしい町になるといいですね。古川中の子どもたちは普段からあいさつ運動やMSJリーダースなどの活動をしていて素晴らしいです」と話していました。